常勤であったこれまでは、勤務先の事務に言われるがまま手続きをしていた健康保険ですが、フリーランスになると自分で健康保険を選択し、手続きを行わなければなりません。
結論から言うと、
任意継続がおすすめ!
その理由を説明していきます。
※「健康保険」には大きく分けると「被用者保険」と「国民健康保険」の2つがあります。一般的には被用者保険のことを健康保険と呼ぶことも多いのでご注意ください。
「被用者保険」とは、国や地方公共団体、法人などに雇われる従業員やその扶養家族が加入する健康保険のことを指します。
日本国民は全員が健康保険に加入する必要がありますので、「被用者保険」に加入できない方は必然的に「国民健康保険」に加入することとなります(75歳以上の方と生活保護受給者は対象外)。
健康保険の選択肢は?
健康保険の選択肢としては、
① 被用者保険の加入条件を満たす働き方をする
② 前職の被用者保険の任意継続
③ 国民健康保険
④ 医師国民健康保険
⑤ マイクロ法人を設立
それぞれ見ていきましょう。
① 被用者保険の加入条件を満たす働き方をする
実はフリーランスになったとしても、働き方によってはこれまでと同じように被用者保険に加入できる可能性があります。
その加入条件は、
- 従業員数101人以上の勤務先
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 2ヶ月を超える雇用の見込みがある
- 月額賃金が8.8万円以上
- 学生でない

ですので、ある程度の規模の病院で週3日または週2日+当直という働き方であれば、被用者保険の加入条件を満たす可能性があります。
ただし、収入もある程度多くなることが予想されますので、相応の保険料負担となるでしょう。
②前職の被用者保険の任意継続
これはこれまで加入していた被用者保険を任意で2年間まで継続できるという制度です。
しかし、任意継続の場合はこれまで労使折半(会社と被保険者が保険料を半分ずつ負担するということ)であった保険料が全額自己負担となります。
ではなぜオススメなのでしょうか?
その理由は、
保険料には上限がある!
からです。
具体的には、
・退職時の標準報酬月額
・組合員の平均標準報酬月額(健康保険組合によって違うがおよそ30-40万円)
のいずれか低い方となります。
常勤として勤務していた際は標準報酬月額は100万円程度はあったかと思いますので、だいぶ安くなるはずです。
2年間という期限がネックとなりますが、2年が経過するまでに被用者保険に加入できる働き方をすれば、再度任意継続制度を利用することでさらに2年間延長させることができます。
③国民健康保険
他の選択肢がない場合は必然的に国民健康保険に加入することとなります。
上限額が設定されていますが、年収1100万円程度あれば上限に達します。
扶養という概念がないため、家族が増えると保険料も増えます(被用者保険では扶養家族の保険料負担はなし)。
④医師国民健康保険
医師とその家族、従業員のみが加入できる健康保険です。
最大の特徴は収入に関係なく保険料が一定であることです。よって収入が多いほどお得になります。
しかし、国保と同じように家族が増えると保険料も増えます。
また、医師会に加入する必要があるため、保険料とは別に医師会の年会費等が必要となります。
⑤マイクロ法人を設立
これは普通の医者にはかなりハードルが高いかと思いますが、自分の会社から自分個人に給与を支払うことで保険料を最適化しようとする方法です。給与を低く設定することで保険料も必然的に安くすることができます。
興味のある方は挑戦してみてもよいかと思いますが、かなり煩雑な事務手続きが必要となりますので個人的にはあまりオススメはしません。
まとめ
保険料や労力を考えると、任意継続が1番オススメです。
しかし、それぞれ状況が異なりますので、自分に最適な健康保険を選びましょう。
健康保険の選び方
参考になれば幸いです!

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