医者が教える上手な病院のかかり方
病院にかかりたいと思ったとき、あなたはどの病院にかかりますか?近くのクリニックでしょうか?それとも大学病院でしょうか?
大学病院、中央の総合病院、地方の総合病院、地方の小病院、クリニックと様々な規模の病院での勤務経験がある私が、実際の患者さんと関わる中で考える上手な病院のかかり方を紹介します。
まず、知っておいて欲しいのは、それぞれの病院にはメリット、デメリットがあると言うことです。
それぞれ紹介します。
大学病院
- メリット
- 高度な医療を受けられる
- 検査機器が充実している
- デメリット
- 待ち時間が長い
- 検査をすぐにできないことも多い
- 教育機関であるため、研修医や学生の診察を受けないといけないこともある(協力して頂きありがとうございます!)
中央の総合病院
- メリット
- ほとんどの疾患の対応ができる
- 救急医療が充実している
- 大学病院よりは受診しやすい
- デメリット
- 対応できない疾患もある
- 待ち時間が比較的長い
- 入院のハードルが高い
地方の総合病院
- メリット
- 多くの疾患の対応ができる
- 比較的通いやすい
- 比較的入院しやすい
- デメリット
- 高度な医療が必要な場合は対応できないことも多い
- 高血圧等の軽微な疾患だけではかかりつけにできないこともある
地方の小病院
- メリット
- 通いやすい
- 入院しやすい
- 社会的入院(疾患自体での入院適応がなくても、患者や家族の事情・都合を考慮し入院とすること)でも対応してくれることが多い
- デメリット
- 外科的処置(手術やカテーテル治療等)が必要な場合は対応できないことが多い
- 専門科が少なく、毎日診察がない(週1,2回等)
クリニック、診療所
- メリット
- 通いやすい(午後や土曜日も受診できることが多い)
- 医師が代わることが少ない
- デメリット
- 入院設備がない
- できる検査が限られている
そして下図は1000人の住民がいた場合にどのくらいの頻度で健康問題が発生し、どのような行動をとるか、を示したものです。
このように大学病院を受診する必要がある人はごくわずかであることが分かります。
これらを踏まえ、あなたはまずどの医療機関を受診するでしょうか?
自分で自分の病状を把握し、適切な医療機関を選定することはとても難しいと思います。
では、どうすればいいのでしょうか?
その一つの答えとしては、『かかりつけ医をつくる』ことだと思います。
ある程度のことはかかりつけ医で対応できますし、必要に応じて適切な医療機関に紹介してくれると思います。
付き合いが長くなると、あなたの考え方や家族のことなども考慮して治療方針を提案してくれることもあります。
そして、かかりつけ医に最も適しているのはクリニック、診療所、地方の小病院です。これ以上大きい病院では何か健康問題が起こったときに、すぐに対応してもらえないことも多く、そもそもかかりつけにしてもらえないこともあるかと思います。
ですので、まずは信頼できる『かかりつけ医』をつくりましょう。
そして私の専門である総合診療医はかかりつけ医に最も適した医者であると思います。
厚生労働省より『上手な医療のかかり方』というものも紹介されていますので参考にしてみてください。
https://kakarikata.mhlw.go.jp/index.html 厚生労働省ホームページより
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